贈与税申告に必要な書類は?自分でもできる書類の書き方や手続きの流れを解説
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【損をしないための贈与税ガイドブック】

贈与を受けた際に「贈与税の申告が必要らしいけど、どうすればいいの?」と疑問をお持ちではありませんか?所得税や住民税のように毎月・毎年納める税金ではないため、いざという時に手続きに戸惑う方は少なくありません。

「自分で申告書を作成できるのか」「税理士さんにお願いすべきなのか」など、不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、初めて贈与税を納める方にも分かりやすく、贈与税の申告が必要なケース、必要書類、申告書の書き方、そして手続き全体の流れを詳細に解説します。これから贈与を考えている方や、贈与を受けて申告が必要になった方は、ぜひ最後までお読みいただき、申告準備にお役立てください。

目次

  1. 贈与税の申告が必要になる条件
  2. 贈与税の「申告期限」と「申告方法」
  3. 贈与税申告に必要な書類
  4. 贈与税申告書の書き方
  5. 実際に贈与税申告するときの流れ
  6. 贈与税申告は自分でできる?
  7. まとめ

贈与税の申告が必要になる条件

贈与税の申告が必要になるケースとして、以下の3つが挙げられます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.1年間に合計110万円を超える贈与を受けた場合(暦年課税)

最も一般的なケースが、この「暦年課税」における申告です。暦年課税では1月1日〜12月31日までの1年間に、複数人から贈与を受けた財産の合計額が基礎控除額である110万円を超える場合に、贈与税がかかり申告が必要となります。

例えば、父から80万円、母から50万円の贈与を同じ年に受けた場合、合計額は130万円となり、基礎控除額110万円を超えます。この場合、超えた部分の20万円(130万円 - 110万円)に対して贈与税が課税される可能性があるため、申告が必要となるのです。

贈与された財産は、現金だけでなく、預貯金、株式、不動産、自動車、骨董品、さらには借金の免除なども含まれます。これらの財産は、贈与された時点での「時価(不特定多数の人の間で自由な取引が行われた場合に成立すると考えられる価格)」で評価されます。不動産や株式など、価格の算出が難しい財産を受け取った場合は、評価方法に注意が必要です。

贈与を受けた合計額が110万円以下であれば、贈与税はかからず、原則として申告も不要です。しかし、申告が必要なのにも関わらず申告を怠ったり、贈与額を少なく偽って申告したりすると、加算税や延滞税といったペナルティが課され、本来納めるべき税額よりも多くの税金を納めることになります。

一方、もし誤って多く税金を納め過ぎてしまった場合は、「更正の請求」という手続きを行うことで、税務署に認められれば払い過ぎた税金の還付を受けることが可能です。

2.贈与税が非課税になる特例を利用する場合

贈与税には、特定の目的のために行われた贈与について、一定の要件を満たせば贈与税が非課税になる特例がいくつかあります。代表的なものに、婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産またはその取得資金を贈与した場合に適用できる「贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)」や、子や孫に住宅取得のための資金を贈与した場合に一定額まで非課税となる「住宅取得等資金の非課税特例」などがあります。

これらの特例を適用して贈与税がゼロになったとしても、特例を受けるためには贈与税の申告が必要となるケースがあります。これは、特例の適用要件を満たしていることを税務署に証明するためです。

特例を利用する場合は、非課税になるからといって申告を忘れないよう注意が必要です。

3.相続時精算課税制度を利用する場合

「相続時精算課税制度」とは、親または祖父母(贈与者)が、子または孫(受贈者)に対して生前贈与を行った際に、最大2,500万円まで贈与税を非課税とし、贈与者が亡くなった時に、その贈与財産と相続財産を合計した価額で相続税を計算・納税するという制度です。これは、高齢者の資産を早期に子や孫へ移転しやすくするために設けられました。

この制度を選択した場合、贈与を受けた年の翌年に贈与税の申告が必要となります。ただし、2024年1月1日以降の贈与からは制度が改正され、相続時精算課税制度にも年間110万円の基礎控除が設けられました。これにより、1年間で贈与を受けた相続時精算課税の対象となる財産の合計額が110万円以下であれば、贈与税の申告は不要となりました。一方、年間110万円を超える贈与を受けた場合は、相続時精算課税の特別控除額(2,500万円)の範囲内であっても、贈与税の申告が必要になります。

年間110万円の基礎控除部分は、将来相続時に相続財産に加算する必要がないため、暦年課税の基礎控除と同様の効果を持つことになります。

相続時精算課税制度は、暦年課税制度との選択制であり、一度選択すると暦年課税には戻せないなどの注意点があります。制度の利用を検討する際は、専門家にも相談することをおすすめします。

贈与税の「申告期限」と「申告方法」

贈与税の申告はいつからいつまでに行うべきなのでしょうか。

また、申告する場所はどこで、どのように申告すればよいのでしょうか。

贈与税の申告期限と申告方法について、以下で詳しく解説します。

贈与税の「申告期限」と「申告方法」

贈与税の申告期限

贈与税の申告と納税は、贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日までに行う必要があります。この期限内に「申告書の提出」と「税金の納付」の両方が完了していなければなりません。この期限を過ぎると、加算税や延滞税が発生する可能性があります(提出期限が土日祝の場合は、その翌営業日が期限日になります)。

贈与税の申告方法

贈与税の申告は、贈与を受けた方(受贈者)が、住所地を管轄する税務署に所定の申告書を提出する形で行います。主な申告方法には以下のものがあります。

  • 税務署の窓口へ直接提出
    管轄の税務署に申告書を持参して提出する方法です。その場で簡単な確認を受けられる場合もあります。
  • 税務署へ郵送
    申告書を管轄の税務署へ郵送する方法です。郵便物として送付する必要があります(ゆうパックなどの荷物扱いでは受け付けられない場合があります)。消印日が提出日とみなされます。

e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用した電子申告

自宅のパソコンやスマートフォンから、インターネット経由で申告書を作成・送信する方法です。税務署に行く手間がなく、手続きがスムーズに行えるメリットがあります。マイナポータル連携を利用すると、一部の情報入力が省略できます。

贈与税の納税方法

贈与税の納税方法も複数あります。

  • 金融機関または税務署の窓口で現金納付
    納付書を利用して、銀行などの金融機関や税務署の窓口で現金を支払う方法です。
  • e-Taxを利用した電子納税
    インターネットバンキングやダイレクト納付(e-Taxを利用して預貯金口座から振替により納付する方法)などがあります。
  • クレジットカード納付
    国税クレジットカードお支払サイトを利用して納付する方法です。決済手数料がかかりますが、場所や時間を問わず納付できます。

    ・コンビニ納付: 納税額が30万円以下の場合、国税庁のウェブサイトでQRコードを作成し、コンビニエンスストアで支払う方法です。

原則として贈与税は一括で納付する必要がありますが、納付すべき税額が10万円を超え、一時的に納付が困難な理由があるなどの要件を満たす場合は、延納といって最長5年間の分割払いが認められる制度もあります。延納には税務署長の許可が必要で、利子税がかかります。困った場合は、期限が来る前に税務署に相談してみましょう。

延納が認められる条件
  • 納付税額が10万円を超えること
  • 「納付が困難な理由」があること
  • 担保を提供すること(延納税額100万円以下かつ延納期間3年以下の場合は担保不要)
  • 納付期限内に延納申請書と添付書類を提出して税務署長の許可を得ること

贈与税申告に必要な書類

贈与税の申告にあたって、どのような書類が必要になるかは、どのような贈与を受けたか、どのような制度や特例を利用するかによって異なります。

ここでは、ケース別に必要な主な書類を解説します。。

1.贈与税申告をする時の「共通書類」

贈与税の申告をする全ての方が共通で準備する必要がある書類は、本人確認書類です。マイナンバーと身元を確認するために必要であるため、マイナンバーカードを持っていれば1枚で事足ります。持っていない場合は、マイナンバーが確認できる書類と身元確認ができる書類の両方を用意し、提示または写しを添付する必要があります。

マイナンバーカードを持っている場合 マイナンバーカード1枚で、マイナンバーと身元確認の両方が可能。申告書にマイナンバーを記載し、マイナンバーカードの写しを添付する。
マイナンバーカードを持っていない場合 以下の書類を組み合わせて用意
マイナンバーを確認できる書類(いずれかの写し): 通知カード(※)、マイナンバーが記載された住民票の写し、住民票記載事項証明書など
身元を確認できる書類(いずれかの写し): 運転免許証、パスポート、健康保険証、在留カードなど
(※通知カードは、記載事項に変更がない場合に限り、マイナンバーを確認できる書類として利用できる。)

上記の本人確認書類に加え、贈与の内容や利用する制度によっては、以下の書類が必要になります。

通常の暦年課税申告の場合(特例や相続時精算課税を利用しない場合)

暦年課税で年間110万円を超える贈与を受け、特に非課税特例や相続時精算課税制度を利用しない場合、原則として本人確認書類と贈与税申告書(第一表)以外の添付書類は不要とされています。

ただし、贈与された財産の種類によっては、その評価額を明らかにするための書類(例:不動産であれば固定資産税評価証明書など、株式であれば取得価額や評価額を示す書類)の提出や提示を求められる場合があります。特に、不動産を贈与された場合は、評価額を算出するための評価明細書などを求められるケースがあるため、事前に税務署に確認することをおすすめします。

また、贈与税の税率は、直系尊属(父母や祖父母など)から18歳以上の子や孫への贈与に対して適用される「特例税率」と、それ以外の贈与に適用される「一般税率」に分かれています。特例税率を適用して申告する場合、受贈者が贈与者の直系卑属(子や孫)であることを証明するため、受贈者の戸籍謄本または戸籍抄本、もしくはそれに代わる関係性を証明する書類の提出が必要になります。

出典:国税庁 贈与税の申告等

2.「配偶者控除」を利用するときの書類

贈与税の配偶者控除を利用する場合は、共通書類・贈与税申告書のほかに、以下の書類が必要になります。

提出書類 備考
贈与を受ける方(受贈者)の戸籍謄本(抄本でも可) 贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成されたもの
贈与を受ける方(受贈者)の戸籍の附票の写し 贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成されたもの
不動産の登記事項証明書など 贈与されたものが不動産の場合に必要。不動産の所在地や所有者、評価額などが記載されている。

3.「相続時精算課税制度」を利用する時の書類

相続時精算課税制度を利用する場合は、共通書類・贈与税申告書のほかに、以下の書類が必要になります。

提出書類 備考
贈与をする方と受ける方の戸籍謄本(抄本でも可) 贈与者と受贈者の氏名、生年月日、贈与者が親または祖父母、受贈者が子または孫(推定相続人)であることが確認できる必要がある。
贈与する方の住民票の写し 贈与者の氏名、生年月日、住所が確認できるもの。贈与者が贈与をした年の1月1日時点で60歳以上であることが必要。
贈与を受ける方の戸籍の附票の写し 贈与を受けた年の1月1日時点の住所と18歳以上であることがわかるもの。
相続時精算課税選択届出書 国税庁の公式サイトまたは税務署で入手可能

また、相続時精算課税制度を利用して住宅取得資金を贈与したときは、以下の書類も必要です。

提出書類 備考
工事請負契約書や不動産売買契約書の写し・登記事項証明書など 住宅の契約の相手方(売主など)がわかる書類
建設住宅性能評価書や耐震基準適合証明書の写しなど 住宅性能等を証明できる書類

4.「住宅取得資金贈与の非課税」の時の書類

住宅取得資金贈与の非課税の特例措置を適用する場合は、共通書類・贈与税申告書のほかに、以下の書類が必要になります。

提出書類 備考
贈与を受ける方の戸籍謄本 贈与を受けた方の名前・生年月日・贈与者との続柄(子または孫であること)が確認できるもの
贈与を受ける方の源泉徴収票など 受贈者の所得が一定額以下であることなど、特例の要件を満たしていることを証明するために必要。所得税の確定申告をしている場合は、確定申告書の写しなどで代えることができる場合がある。
工事請負契約書や不動産売買契約書の写し・登記事項証明書など 住宅の契約の相手方(売主など)がわかる書類
建設住宅性能評価書や耐震基準適合証明書の写しなど 住宅性能等を証明できる書類

贈与税申告書の書き方

ここでは贈与税の申告書の書き方について紹介します。贈与税の申告書は、場合によっては自分自身で記入・作成することもできる書類です。第1表から第15表まである相続税の申告書に比べて、贈与税申告書は第2表までしかありません。

ただし贈与税の計算方法は相続税に比べれば簡単ですが、非課税措置や相続時精算課税制度を適用すると煩雑になってくるため、税金の専門知識がないと難しいと感じるかもしれません。申告書に記入する内容は以下の3つです。

それぞれ見ていきましょう。

1.共通書類(申告書第一表)

申告書第一表は、贈与税を申告する人全員が提出する共通の書類です。時精算課税制度や住宅取得資金贈与の非課税の特例を適用しない場合は、この1枚だけを提出することになります。申告書第一表に記載する内容は以下の通りです。

・申告者の情報
贈与を受けた方(受贈者)の氏名、住所、個人番号(マイナンバー)、生年月日、職業、電話番号など。

・贈与者の情報
贈与をした方の氏名、住所、生年月日、受贈者との続柄(父、母、祖父、祖母など)。

・贈与を受けた財産の明細
贈与を受けた財産の種類(現金、土地、建物、株式など)、所在地や名称、数量、価額、贈与を受けた年月日など。複数の財産がある場合は、それぞれの明細を記載。

・課税価格の計算
贈与を受けた財産の合計額から、基礎控除額(110万円)や配偶者控除額などを差し引いて、贈与税の課税対象となる金額(課税価格)を計算・記入。

・税額の計算
課税価格に所定の税率を乗じて、贈与税額を計算・記入。

出典:国税庁 贈与税の申告書第1表

2.住宅取得資金贈与の非課税(申告書第一表の二)

住宅取得資金贈与の非課税の特例を適用する場合に必要です。

申告書第一表の二に記載する内容は以下の通りです。

・申告者(受贈者)の氏名
・贈与者の情報(氏名、住所、生年月日、受贈者との続柄など)
・取得した住宅に関する情報(所在地、取得した年月日、取得金額など)
・非課税額(住宅取得等資金の非課税特例によって非課税となる金額)の計算
・非課税額を控除した後の課税価格の計算

「住宅取得等資金を取得した年月日」には住宅の請負契約日または売買契約日を記入しましょう。また、課税価格の計算結果は申告書第一表または第二表に転記します。

出典:国税庁 贈与税の申告書第1表の2

3.相続時精算課税制度(申告書第二表)

申告書第二表は、相続時精算課税制度を利用する場合に必要です。

申告書第二表に記載する内容は以下の通りです。

・申告者(受贈者)の氏名
・贈与者の情報(氏名、住所、生年月日、受贈者との続柄など)
・贈与を受けた財産の明細(種類、所在地、価額、贈与年月日など)
・過去に相続時精算課税制度を利用したことがある場合の申告状況(贈与者の氏名、贈与を受けた年分、特別控除額など)
・特別控除額(相続時精算課税の特別控除額2,500万円のうち、本年分で利用する金額)の計算
・特別控除額を控除した後の課税価格の計算

なお、当該制度を利用するには、別途「相続時精算課税選択届出書」を国税庁の公式サイトや税務署で取得し、一緒に提出する必要があります。

出典:国税庁 贈与税の申告書第2表

実際に贈与税申告するときの流れ

実際に贈与税の申告をする際には、以下のような流れで行います。

それぞれの手順について解説していきます。

1.必要書類を準備する

まずは先述の【贈与税申告に必要な書類】を参考に、必要書類を揃えます。特に、戸籍謄本など役所で取得する書類については、早めに揃えるようにします。最近では直接役所に出向かなくても、郵送やオンライン請求で取り寄せることができる書類も多いので、自分に必要な書類の取得方法を事前に確認してみましょう。

2.贈与税申告書類を作成する

必要書類が揃ったら、贈与税申告書の作成に取りかかります。贈与税申告書を国税庁の公式サイト、または税務署の窓口で入手します。書き損じた場合などに備えて、2部用意しておくと安心です。

手書きで作成することも可能ですが、国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、画面の案内に従って金額などを入力していくだけで、税額が自動計算され、申告書を作成できます。また、e-Taxで電子申告する場合は、この作成コーナーで作成したデータをそのまま送信できるため便利です。

申告書を作成する際は、取得した必要書類を見ながら、氏名、住所、マイナンバー、財産の明細、評価額などを正確に記入します。特に、不動産や株式など現金以外の財産の評価額の算出や、特例・制度の適用要件の判断・計算は間違いやすいポイントです。

3.管轄税務署に書類を提出する

申告書が完成し、添付書類も全て揃ったら、申告期限(贈与を受けた年の翌年3月15日)までに、贈与を受けた方(受贈者)の住所地の管轄税務署に、下記のいずれかの方法で贈与税申告をします。

提出方法は、税務署の窓口へ直接持参、税務署へ郵送、e-Taxによる電子申告のいずれかを選べます。郵送の場合は、消印が申告期限内であれば有効です。書類提出と並行して、算出した贈与税額を申告期限までに納付します。前述の通り、現金納付、電子納税、クレジットカード納付、コンビニ納付など、都合の良い方法で納税しましょう。

これらの手続きを全て申告期限内に行う必要があります。初めての手続きで不安な場合は、早めに取りかかり、分からない点があれば税務署の相談窓口などを活用しましょう。

贈与税申告は自分でできる?

結論から言うと、贈与税の申告は自分でできます。ただし、場合によっては税理士に相談・依頼した方がいいケースもあります。以下では自分で申告できるケースと、税理士に依頼した方がいいケースについてまとめました。

自分でもできるのはどんなケース?

比較的容易に自分で申告できる可能性が高いのは、以下のようなケースです。

暦年課税で年間110万円を超える贈与を受けたが、特例や相続時精算課税制度は利用しない場合

申告書第一表1枚の作成で済むことが多く、添付書類も本人確認書類と続柄を証明する書類(特例税率適用の場合)程度で少ないため、比較的シンプルです。

贈与された財産が主に現金・預貯金である場合: 財産の評価額の計算が容易であるため、申告書作成の難易度が下がります。国税庁のウェブサイトの記載例や確定申告書等作成コーナーなどを活用すれば、手順に沿って申告書を作成できるでしょう。

税理士に依頼した方がいいケース

以下に当てはまる方で、申告書の作成に不安がある場合は税理士への相談・依頼を検討した方がいいかもしれません。

贈与税の配偶者控除や住宅取得等資金の非課税特例など、非課税の特例を利用する場合

特例の適用要件の判断や非課税額の計算が専門的な知識を要する場合があります。添付書類も多くなります。相続時精算課税制度を選択する場合: 相続時精算課税選択届出書の提出が必要になるほか、将来の相続税への影響も考慮する必要があり、制度への理解が不可欠です。不動産や株式など、現金以外の財産を贈与された場合: 特に不動産や非上場株式などは、その評価額の算出が複雑で、専門的な知識や経験が必要になります。評価額を誤ると、税額計算に大きな影響が出ます。

  • 複数の人から贈与を受けた場合や、複数年にわたって贈与を受けている場合
    贈与額の合計や過去の申告状況などを正確に管理・計算する必要があります。

  • 仕事や育児などで忙しく、申告書を作成したり必要書類を集めたりする時間がない場合
    専門家に依頼すれば、手続きを代行してもらえるため、時間や労力の負担を減らすことができます。

  • 初めての申告で手続きに不安がある場合
    税理士は税務の専門家であり、正確な申告をサポートしてもらえます。また、税務調査への対応なども相談できます。

間違った申告をしてしまうと、後でペナルティが発生したり、税務署から問い合わせを受けたりする可能性があります。複雑なケースや不安がある場合は、最初から専門家である税理士に相談し、正確な申告手続きを行いましょう。

まとめ

この記事では、贈与税の申告方法や必要書類について解説しました。贈与税の申告は、暦年課税で基礎控除を超える贈与を受けた場合だけでなく、非課税特例や相続時精算課税制度を利用する場合にも必要になることがあります。申告期限は贈与を受けた年の翌年の3月15日までであり、この期限内に申告と納税を完了させなければなりません。

贈与の内容がシンプルで、特例や制度を利用しない場合は、ご自身で申告することも十分に可能です。しかし、不動産や株式などの財産評価が必要な場合、または複雑な特例や制度を利用する場合は、計算や書類準備が煩雑になりやすいため、税務署や税理士といった専門家に相談・依頼することをおすすめします。

正確な申告は、将来的な不安をなくすためにも非常に重要です。この記事を参考に、計画的に贈与税の申告準備を進めていきましょう。もし手続きに迷うことがあれば、一人で抱え込まずに税務署や税理士に相談してみてください。

八木チエ
八木チエ(著者)
株式会社エワルエージェント 代表取締役。宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 中立的な立場で10年以上不動産投資からはじめ、資産形成に特化した情報発信している。下記を含めた多くの媒体にて執筆経験がある。

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