「投資信託という言葉は聞くけれど、なんだかよくわからないし難しそうで手が出せない」
このような悩みを抱えていませんか?
投資信託(ファンド)とは、一言でいうと「投資のプロにお金を預けて、代わりに運用してもらう金融商品」のことです。
株式投資のように特定の企業の株を自分で選んで買うのではなく、プロが選んだ複数の投資先にまとめて投資ができるため、失敗のリスクを抑えたい初心者の方に最も選ばれている投資方法です。
さらに、2024年から始まった新NISAを活用すれば、利益にかかる税金をゼロにすることも可能です。
この記事では、投資信託の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、そして初心者が失敗しないための「商品の選び方」までを網羅的に解説します。
投資信託(ファンド)とは?
投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家である「ファンドマネージャー」が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。その運用成果として生まれた利益が、投資額に応じて投資家に分配される仕組みになっています。
「信じて託す」という名前の通り、運用のプロを信じて資金を託すのがこの商品の本質です。専門的な知識が必要な銘柄選びや売買のタイミング判断をプロに任せられるため、仕事や家事で忙しい方でも資産運用を続けやすいのが特徴です。
「お弁当」でイメージしよう
投資信託の仕組みを最も直感的に理解するには、お弁当をイメージするのがおすすめです。
もしあなたが、自分でお弁当を作ろうとしたらどうでしょうか。お米、お肉、野菜、漬物など、すべての食材を個別に買い揃えなければなりません。これには手間がかかりますし、すべての食材を一つずつ買うと結構な金額になってしまいます。これが、個別の企業を選んで投資する「株式投資」のイメージです。
一方、投資信託はプロの料理人(ファンドマネージャー)が栄養バランスや彩りを考えて、少しずついろいろな食材(国内外の株式や債券)をパッケージにしてくれています。あなたは、そのお弁当を一つ買うだけで、結果的に多くの食材(国内外の株式や債券)を一度に手に入れることができます。
「米国株だけが入った肉弁当」もあれば、「世界中の株が入った多国籍弁当」もあります。自分の好みに合ったお弁当を選ぶだけで、手軽に分散投資ができるのが投資信託の最大の魅力です。
3人の登場人物(投資家・販売会社・運用会社)
投資信託の仕組みは、主に以下の「3人の登場人物」のお金のリレーによって成り立っています。それぞれの役割を知っておくと、自分がどこにお金を払い、どうやって利益を受け取るのかがイメージしやすくなります。
・投資家
資金を提供し、投資信託を購入するこの仕組みの「主人公」です。プロの運用によって利益が出れば、その成果(分配金や値上がり益)を受け取ることができます。
・販売会社
証券会社や銀行など、投資家が実際に投資信託を「買う・売る」ための窓口です。投資家からお金を集め、後述する運用会社へ橋渡しをします。私たちにとって最も身近な存在であり、口座を開設するのもこの販売会社です。
・運用会社
販売会社を通じて集まった大きなお金を、「どこに・どのタイミングで投資するか」を考え、運用の指示を出す専門家(ファンドマネージャー)がいる会社です。経済動向を分析し、最適な「詰め合わせ弁当」を作る腕利きのシェフのような役割を担っています。
※補足:厳密にはこの3人に加え、運用会社の指示に従って実際のお金や株券を金庫のように安全に保管・管理する「信託銀行」という機関も存在し、あなたの資産が守られる仕組みになっています。
3つのメリット
投資信託は、株式投資やFXなど他の投資方法に比べて、ハードルが低く、リスクコントロールがしやすいです。ここでは代表的な3つのメリットを解説します。
①少額から始められる
かつての投資といえば、数十万円から数百万円の資金が必要な「お金持ちのもの」でした。しかし、投資信託はその常識を覆しました。
現在、多くのネット証券では、投資信託を「100円」から購入することができます。
例えば、トヨタ自動車の株を買おうとすると、数十万円の資金が必要になることがあります(株価による)。しかし、トヨタ自動車が含まれている投資信託なら、100円や1,000円といったお小遣い程度の金額から保有することが可能です。
「まずは試しにやってみたい」という方にとって、ランチ代よりも安い金額でスタートできる手軽さは、投資信託ならではの大きなメリットです。
②分散投資ができる
個人で分散投資をしようとすると大変です。 「A社の株を買って、B社の株も買って、リスクヘッジのためにアメリカの債券も買って……」とやっていると、膨大な資金と管理の手間がかかります。
投資信託であれば、1つの商品を買うだけで、自動的に数十〜数千の銘柄に分散投資したのと同じ効果が得られます。仮にその中の1社の業績が悪化しても、全体への影響は軽微に抑えられます。
さらに、市場環境が変わったときには、プロが自動的に中身を入れ替えてくれます。この点は、忙しい現代人にとって大きなメリットと言えるでしょう。
③透明性が高い
投資信託には、「基準価額」と呼ばれる値段がついています。これは、投資信託の純資産総額を総口数で割ったもので、1日1回、公表されます。
例えば、「未公開株」や「怪しい投資話」などは、今の自分の資産がいくらになっているのかが不明瞭なことが多く、売りたいときに売れないリスクがあります。
一方、投資信託は新聞や証券会社のWEBサイトで毎日必ず価格が更新され、いつでも確認できます。また、運用会社は定期的に「運用報告書」を作成し、どんな銘柄に投資しているか、運用状況はどうだったかを開示する義務があります。
このように仕組みが透明であり、金融庁の監督下にある真っ当な金融商品であることも、初心者が安心して始められる理由です。
知っておくべきデメリット
メリットの多い投資信託ですが、もちろんデメリットも存在します。後悔しないために、マイナス面もしっかり理解しておきましょう。
①元本保証ではない
最も重要な点は、「預貯金とは違い、元本保証ではない」ということです。運用がうまくいけば資産は増えますが、景気の悪化や株価の暴落などがあれば、投資した金額よりも減ってしまう(元本割れする)可能性があります。
・価格変動リスク:投資している株や債券の価格が変わるリスク
・為替変動リスク:海外の資産に投資する場合、円安・円高の影響を受けるリスク
これらのリスクは完全に避けることはできません。しかし、「長期・積立・分散」投資を行うことで、リスクをある程度コントロールし、安定したリターンを目指すことは可能です。短期間での値動きに一喜一憂せず、じっくり育てる姿勢が大切です。
②手数料がかかる
プロに運用を任せる以上、手数料がかかります。投資信託で発生する主なコストは以下の3つです。
・購入時手数料:買う時に支払う手数料。最近はネット証券を中心に「ノーロード(無料)」の商品も増えています。
・信託報酬:持っている間ずっとかかり続ける手数料。運用資産から毎日差し引かれます。
・信託財産留保額:解約する時にかかる手数料。かからない商品も多いです。
特に注意すべきは「信託報酬」です。年率0.1%の商品もあれば、年率2.0%を超える商品もあります。長期投資になればなるほど、このわずかな差が将来の受取額に数十万円以上の差を生むことになります。
これから始める方は、購入時手数料が無料で、かつ信託報酬が低い商品を選ぶのが鉄則です。
投資信託の種類と、初心者が選ぶべき「正解」
日本国内で購入できる投資信託は6,000本近くあります。「そんな中から選べない!」という方のために、初心者が選ぶべき「正解」に近い考え方をお伝えします。
「インデックス」と「アクティブ」の違い
投資信託は、運用方針によって大きく2つに分けられます。
・インデックスファンド
日経平均株価やS&P500などの指数と同じ値動きを目指すファンドです。特徴は手数料が安く、指数と連動した成績を目指すという点です。
・アクティブファンド
指数を上回る成績を目指して、プロが積極的に銘柄を選定するファンドです。
特徴は手数料が高く、プロの腕次第で成績が大きく変わる点です。
まずは「インデックスファンド」を選びましょう。過去のデータを見ると、長期間の運用では多くのアクティブファンドがインデックスファンドの成績に勝てていないという事実があります。まずは低コストなインデックスファンドで、市場全体の成長に乗るのが王道です。
どこで買う?
同じ投資信託でも、どこで買うかによって手数料やサービスが異なります。ネット証券は、購入時手数料が無料の投資信託がほとんどで、ポイント還元などのサービスも充実しています。自宅からスマホ一つで口座開設できるのでおすすめです。
今すぐ始めるなら「新NISA」活用が必須
今、投資信託を始めるなら、2024年から大幅に拡充された「新NISA」を使わない手はありません。これは国が用意した「国民の資産形成を後押しするための税制優遇制度」です。
利益が非課税になるメリット
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかります。 例えば、投資信託で10万円の利益が出た場合、普通なら約2万円が税金として引かれ、手取りは8万円になります。
しかし、NISA口座で運用すれば、この税金がゼロになります。
新NISAでは、一人あたり生涯で1,800万円まで投資が可能で、非課税期間も無期限となりました。これから投資信託を始めるなら、まずはNISA口座を開設し、その枠内で購入するのが最も合理的です。
積立設定をして「ほったらかし」にしよう
新NISAには「つみたて投資枠」というものがあります。ここで毎月決まった金額(例えば月3万円など)を自動引き落としで積み立てる設定をしておきましょう。
一度設定してしまえば、あとは「ほったらかし」でOKです。
株価が安いときにはたくさん買い、高いときには少なく買う「ドル・コスト平均法」という効果が自動的に働き、平均購入単価を抑えることができます。 毎日のニュースや株価を見て一喜一憂する必要はありません。時間を味方につけて、10年、20年と長く続けることが、資産形成成功への近道です。
まとめ
投資信託(ファンド)とは、プロにお金を託して運用してもらう、まさに「資産運用の詰め合わせ弁当」です。
・100円から始められる手軽さ
・プロによる分散投資でリスク軽減
・新NISAを使えば利益は非課税
このように、投資信託は投資初心者にとって非常にメリットの大きい金融商品です。もちろん元本割れのリスクはありますが、長期・積立・分散を心がけることで、そのリスクを抑えながら、銀行預金では得られないリターンを期待することができます。
「いつか始めよう」と思っているだけでは、資産は増えません。投資期間が長ければ長いほど、雪だるま式に資産が増える複利効果は大きくなります。
